220226　BOOKレビュー　「楽園のカンヴァス」「常設展示室」　原田マハさん

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原田マハさんのお名前は存じ上げていましたが、アートをモチーフに創作なさっているということで、美術にそれほど詳しくない私は「きっと高尚すぎて私が読んでも面白くない」と思ってました。

去年は久しぶりに美術館へ行けたし、ものは試し！と手に取ってみると、、、
とても面白かったです。

楽園のカンヴァス
最期まで飽きずにワクワクしながら一気読み。
二人の研究者の間接的な対決の中にそれぞれの個人的な葛藤なども上手く織り込まれていたし、対象となっている絵画が描かれた過去も存分に想像することができたのが楽しかったです。
私の大好きな映画「ミッドナイト・イン・パリ」を思い出しながら読んでました。
主人公が迷い込む世界が1920年、ルソーは1910年に亡くなったから、あそこにルソーはいなかったけど。。。

常設展示室
どれも面白かったですが、「道 La Strada」がよかったです。
成功者であり自分に自信がある主人公が、「もしかしたら、、、」とある事実を知った時、駆け出したいような衝動をかかえながら目的地に向かう様子が手に取るように浮かび、またその瞬間、主人公の姿も私の脳みその中で完全に違う女性に変化しました。
このような体験は読書の楽しみの本質ですよね。

まだまだ楽しめる原田マハさんの作品がたくさんありそう。
手に取ってみたいです。